リード
「掃除しなきゃ」と思っているのに、なぜかモチベーションが上がらない。そんな悩みを抱えていませんか?
実はそれ、あなたの意志の弱さではなく、脳の仕組みが関係しているかもしれません。
本記事では、掃除のモチベーションが湧かない心理的な理由と、やる気を自然に引き出す“ちょっとしたコツ”を解説します。
気合や根性はいりません。誰でも今日から始められる、ゆるくて続けやすい掃除テクニックを7つご紹介します。
掃除へのハードルをぐっと下げて、「できた!」という小さな達成感を積み重ねていきましょう。
なぜ掃除のモチベーションは上がらないのか?

「掃除しなきゃいけないのは分かってる。でも、なぜかやる気が出ない…」
「掃除しようかなと思ったけど、思わず別のことをしてしまう」
この悩み、あなただけではありません。実は、私たちの脳や心の仕組みが“掃除のやる気”を妨げているケースが多いんです。
ここでは、その理由をちょっとだけ「心理学的」に、かみ砕いてご紹介します。
掃除に取りかかれないのは脳のせい?
掃除に取り組むのが面倒だなと感じてしまうのは、あなたのせいじゃないんです。「現状維持バイアス」という脳の癖があるから、掃除したくないんです。
現状維持バイアス(Status Quo Bias)とは、変化を避けて現状維持を求める、現在の状況よりも好転するとわかっていても行動できない心理傾向
引用:ミイダス
例えば、散らかった部屋を見て「掃除しなきゃ」と思っても、「まあいいか」「明日でいいか」と後回しにしちゃうのは、この“現状維持バイアス”が働いているから。
なので、「掃除が嫌い」とか「掃除のやる気が出ない」のは、「今をキープしたい」という本能が、自然とやる気を妨げているだけなんです。
掃除ができないのはあなたのせいじゃない!自分を責めるのはやめましょう。脳の仕業かもしれません。
やる気は「始めてから」湧いてくる
じゃあどうすればやる気が出てくるのかというと、ポイントは「始めてから」なんです。
これは「作業興奮」という、これまた心理現象のこと。
今まで、「ちょっとだけテーブルの上を拭いてみよう」と思って拭いてみたら、「ん、あそこの棚の上も気になるな。拭いてみよ」と次々と色々なことに手をつけられるようになった経験はありませんか?
この「とりあえず小さくてもいいから始めて見る」ことで、脳の側坐核(そくざかく)が刺激され、
ドーパミン(やる気ホルモン)が分泌される。
だから、やる気は「出す」んじゃなくて「動き出せば勝手に出てくる」んです。
つまり、掃除のやる気が出ないときに大事なのは、「とりあえず始める」こと。
それは、どんなに小さなことでもいいんです。
- 落ちているティッシュを拾う
- テーブルの上を拭いてみる
- ゴミをゴミ袋にまとめる
- ハンディモップをリビングだけかけてみる
こういった行動を起こすことで、自然と脳が“掃除スイッチ”を入れてくれます。
「掃除って、始めるまでは億劫だけど、始めてしまえば意外といける」
その感覚、科学的にもちゃんと理由があるんです。
掃除のモチベーションを上げる、”ゆるモチベUP”掃除テクニック7選

まずはとにかく小さなことでもいいから掃除をやってみる。そうやって行動の“ハードル”を下げてあげることが、モチベーションを出すための1番の近道です。
ここでは、気合も根性もいらない、でも確実にモチベーションを上げる“ゆるモチベUP”掃除テクニックを7つご紹介します。
- 1曲掃除チャレンジ
- エリア断捨離法
- 掃除×ガチャご褒美
- ながら視聴掃除
- 朝一スイッチ掃除
- 達成メーター可視化
- ごほうび先取り作戦
今日から無理なく試せて、「自分でもできた!」という小さな達成感を積み重ねられる方法ばかり。まずはお気に入りを1つ、気軽に試してみてくださいね。
①【1曲掃除チャレンジ】好きな曲1曲だけの間だけ掃除してOKルール

「掃除って長い時間がかかるからやりたくない」なんてこと、ありませんか?
だったら逆に『短い時間に制限する』方法を試してみてください!
好きな曲を1曲流して、その曲が流れている間だけ掃除をしてもOKということにしましょう。
大体1曲あたり3〜5分程度なので、すぐにぱぱっとできる掃除でOK。その曲の時間だけ掃除をしていたら、気になるところが出てきて、思わず5分以上掃除をしている、、、なんてことになりますよ!
これ、実は「作業興奮」といって、行動を起こすことで脳のやる気スイッチが入る仕組みをうまく活かした方法なんです。
掃除の量にこだわらず、「1曲分動いた自分、えらい!」とまずは自分をほめてあげてくださいね。
②【エリア断捨離法】「1つの引き出しだけ」「棚1段だけ」掃除

家じゅうの掃除って、考えただけでしんどくなりますよね。そんなときは、思い切って“超ピンポイント”に絞ってみましょう。
あっちもこっちもやろうとするんじゃなく、1つのエリアに限定する。例えば「お風呂場だけ」「脱衣所だけ」と、掃除をする箇所を限定してみてください。
範囲が小さいぶん始めやすく、終わりも見えているので達成感がしっかり得られます。
そんなふうに少しずつ積み重ねれば、いつの間にか家全体が整っていきます。
好きな曲1曲分でちょうどできるくらいのエリアにするのがポイント。
「掃除=しんどいこと」から、「掃除=サクッと気分よくなること」に変わる、はじめの一歩にぴったりのテクニックです。
③【掃除×ガチャご褒美】掃除後にクジ感覚で「今日のご褒美」を引く

掃除のあとに楽しみがあると、やる気ってグッと上がりますよね。でも「毎回ご褒美」だとちょっとマンネリ化しがち…。
そこでおすすめなのが、クジ感覚で“ご褒美ガチャ”を作ること!
やり方は簡単。
紙に「チョコ1粒」「10分お昼寝」「スタバのデカフェ」「好きなマンガ読む」など、自分がうれしい“プチご褒美”を書いて小さく折り、瓶などに入れておきます。
掃除が終わったら、1枚引いて、そこに書いてあるご褒美を実行♪
ご褒美が“なにが出るか分からない”ワクワクに変わるので、「掃除したら運試しできる!」という新しいモチベーションが生まれます。子どもと一緒に作っても楽しいですよ。
④【ながら視聴掃除】推し動画・推し配信を“ながら再生”しながら掃除

もしあなたが推し活中だったら、YouTubeやドラマ、バラエティを再生しながら掃除をする“ながら視聴掃除”もおすすめ。
Bluetoothイヤホンやスマホスタンドを使えば、手は動かしつつ、耳と目は楽しい時間に。たとえば、「朝の洗面所掃除は推しのラジオ配信とセット」「キッチンの片付けはお気に入りYouTuberの新作と一緒」など、自分ルールを決めるのも◎。
「掃除の時間」ではなく「推しの時間」のついでに掃除する感覚になるので、気づいたら床まで拭いてた!なんてことも。まさに一石二鳥のテクニックです。
⑤【朝一スイッチ掃除】朝の行動ルーティンに1箇所掃除を組み込む

朝起きてからの動きって、だいたい毎日パターン化されていますよね。
そこに「1アクションだけ掃除」を組み込むと、知らないうちに掃除が“習慣”になります。
例えば、「顔を拭いた使い捨てハンドタオルで、洗面台をサッと拭く」「玄関に行く前に、ハンディモップで部屋をさっと1周」など、すでにやっている行動の“ついで”にプラスするのがコツ。
これは「if-thenプランニング(○○したら□□する)」という習慣化の心理テクニックにも基づいていて、「無理なく続けられる」ことがポイント。
- 顔を拭いたら、使い捨てハンドタオルで洗面台を拭く
- 準備が完了したら、玄関に行くまでの間にハンディモップで部屋をさっと1周
こうすることで、自然と習慣化されていきますし、朝一番に小さな掃除を終えると、「今日もいいスタートが切れた!」という爽快感にもつながります。
⑥【達成メーター可視化】掃除できたらアプリ・ノートに達成を記録する

家の掃除って、やっても誰かに褒められるわけでもないし、子供にすぐに汚されちゃうし、何かが得られるわけでもないから、「なんでやってるんだろう・・・」ってなったりしますよね。
だから、成果を見えるようにするのがおすすめ。「今日掃除できた!」という達成感を“見える化”することです。
方法はとってもシンプル。スマホのメモアプリや紙のノートに、掃除ができた日をチェックしていくだけ。カレンダーに◯印をつけたり、「3日連続達成!」など書き込むのも楽しいです。
記録をつける担当を子供に任せたら、毎日連続でやるのが楽しくなって、そのうち自発的に掃除をしてくれるようになったり、「今日は掃除しないの?」と声をかけてくれたりしますよ!
小さな成功を「見て」感じることで、モチベーションはじわじわと育ちます。コツコツ記録していくうちに、自分の成長も子供の成長も目に見えて嬉しくなってきます。
⑦【ごほうび先取り作戦】ごほうび(好きな飲み物、スイーツなど)を先に用意してから掃除スタート

「終わったあとにアイスを食べよう!」とごほうびを設定するのは定番ですが、実は「先に用意しておく」ことで、もっとモチベーションが上がるんです。
例えばテーブルにおやつを先に出しておいて、子供にも「掃除が終わったら食べようね」といっておく。そうすることで、「よし、頑張るぞ!」という気持ちになりやすくなります。
心理学的にも、「報酬がすぐ近くにある」と認識することで脳のドーパミン(やる気ホルモン)の分泌が促されると言われています。
「掃除の先にある楽しみ」を視覚化しておくことで、やる気がぐっと湧いてくる。そんな“小さなトリック”をぜひ使ってみてくださいね。
掃除モチベーションを「習慣化」するための秘訣

「今日はやる気が出たけど、明日は分からない…」というのは、誰しもあること。
掃除って、何よりも習慣化するのが大事だけど、それが1番難しいじゃないですか。
だからこそ、モチベーションに頼らなくても掃除できる「習慣化の工夫」を取り入れておくのが大事なんです。
ここでは、無理なく掃除を続けられる3つの秘訣をご紹介します。特別な道具も時間も不要。
日常生活の流れに“ちょこっと”仕込むだけで、自然と掃除が続いていく仕組みを作れます。
行動ハードルを徹底的に下げる
とにかく掃除のハードルを下げることで、「掃除=大変なこと」ではなく「掃除=ついでにできる簡単なこと」という認識にすり替えちゃうのがおすすめです。
例えば、ハンディモップやウェットシートは棚の奥ではなく、すぐ手が届く場所に。
キッチンの引き出しにウエスを常備したり、トイレに小さなブラシを置いておいたり。
思い立った瞬間に“サッと掃除できる”環境をつくるだけで、「わざわざ感」がグッと減ります。
「歯磨きのついでに洗面ボウルを拭く」「料理のついでにコンロ周りを1分拭く」など、すでにある行動の流れに“ちょこっと掃除”を組み込むと、継続しやすくなります。
曜日別掃除ルーティンを作る
「掃除を習慣にしたいけど、毎日は大変…」そんなときは、曜日ごとに“担当エリア”を決めてみましょう。
例えば、こんな感じ!
- 月曜:玄関まわり
- 火曜:キッチンシンクとコンロ
- 水曜:リビングの床と棚
- 木曜:お風呂まわり
- 金曜:トイレと洗面所
- 土曜・日曜:休憩 or 気になるところを自由に
こうやって分散することで、1日10分以内でできる内容に収まり、「これくらいなら無理なくできる」という感覚を育てられます。
それぞれの曜日で、すでに決まり事があるんだったらそれに合わせた「ついで掃除」をセッティングするのが最もおすすめ!
例えば、ゴミ捨ての日が火曜日と金曜日だったら、その曜日は玄関周りを掃除したり家の中でゴミを保管しているところを掃除したり。
日曜日に翌週分の作り置きおかずを作るんだったら、その時にキッチン周りを掃除したり。
とにかく日常に溶け込ませることで、「今日はどこを掃除する日?」と考える手間がなくなるので、迷わず動けるのが大きなメリットです。
21日間続ければ「習慣」になるってホント?
「習慣化には21日続けるといいらしい」…そんな話、聞いたことありますよね?
これは1960年代、マルツ博士という整形外科医の著書で紹介された説が元になっています。
ただし実際には、もっと時間がかかる場合もあることが分かっています。
2009年のロンドン大学の研究では、「新しい習慣が定着するまでの平均は66日」という結果も。
つまり、3週間で習慣になる人もいれば、2ヶ月かかる人もいる。大切なのは「個人差がある」ということなんです。
だからこそ、途中で「やっぱり自分には無理かも…」と感じても大丈夫。
それは自然なこと。あきらめず、マイペースに続けていけばOKなんです。
大事なのは“続けられるやり方”を見つけて、コツコツ積み上げること。
習慣は少しずつ「自分の一部」になっていきますよ。
掃除で心も整う!得られる意外なメリットとは?

「掃除はめんどうだけど、終わるとなんだか気持ちがスッキリする」——
そんな経験、ありませんか?実はこれ、ただの気のせいではなく、心理学的にも理にかなっていることなんです。
掃除は単に部屋をきれいにするだけでなく、心に前向きな影響を与える“セルフケア”のひとつ。
ここでは、掃除がもたらす2つの意外なメンタルメリットをご紹介します。
掃除=小さな自己肯定感UPトレーニング
「やろうやろうと思ってて、やってなかったリビングの掃除ができた
「面倒で後回しにしていたトイレ掃除ができた」
そんな“ちょっとした達成感”は、自己肯定感を高める大きなチャンス。
心理学では「自己効力感(self-efficacy)」といって、「自分はちゃんとできる」という実感を持つことで、心の安定や前向きさが増すことがわかっています。
掃除はその代表的なトレーニング。
大きな目標じゃなくても、「自分がやろうと決めたこと」をやるだけでOK。
きっと、今まで「これをやろうって思ってたけど、面倒でやらなかった」「ハプニングがあって、掃除をしている時間がなかった」と理由をつけて、「やろうと決めたことをやらなかった経験」ってきっとあると思うんです。
そのときって、「あぁ、なんて私はダメなんだ」とか「やっぱりできないんだ」と自分のことを否定していませんでしたか?
自分で決めたタスクをやり遂げる体験を積み重ねることで、「私、やればできるじゃん」という自信が少しずつ育っていきます。
だから、「どうせ続かないし」と思っていた人ほど、1回の掃除で感じる達成感が大きく、自分に優しくなれるはずです。
部屋が整うと「幸福度」も上がる
掃除の効果は、気分をスッキリさせるだけではありません。
実は、散らかった部屋が心の乱れにつながり、反対に整った空間が幸福感を高めるという研究結果も出ているんです。
たとえば、カリフォルニア大学の研究では、
「部屋が散らかっている」と答えた人は「ストレスホルモン(コルチゾール)」の数値が高く、
逆に「部屋が片付いている」と感じている人は、精神的にも穏やかで幸福感が高い傾向があるという結果が出ています。
また、視界にモノが多い状態は脳の情報処理量を増やして疲れやすくなり、イライラしやすくなることも分かっています。
つまり、部屋が整うことは、単なる“物理的な片付け”ではなく、“心の環境整備”にもなるということ。
「今日はちょっと疲れたな」「気持ちが落ち込み気味かも」と感じたときこそ、小さな掃除で“心を整えるスイッチ”を押してみてくださいね。
まとめ|今日からできる掃除モチベーションUP術で、暮らしを整えよう!
掃除って、始めると次々できちゃうけど、始めるまでがとにかく腰が重くなっちゃいがちですよね。
だからこそ、「テーブルを拭く」「ティッシュをゴミ箱に捨てる」くらいの小さな掃除から始めて、好きな曲1曲分だけ掃除をしたり、1つのエリアだけ徹底的に掃除したり、小さく小さく掃除していきましょう。
その積み重ねが、家の中をきれいにすることや心の平穏につながったり、いつしか習慣化されていきます。
習慣にしていって、毎日コツコツ家の中をきれいにしていったら、あれだけ面倒だった「年末の大掃除」をやらなくてよくなるかもしれません!
まずはこの記事で紹介しているテクニックを、何か1つでいいから取り入れてみてください。それを繰り返すことが、掃除習慣を作る大きな1歩に繋がります!
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